アニュトス(英語表記)Anytos

改訂新版 世界大百科事典 「アニュトス」の意味・わかりやすい解説

アニュトス
Anytos

前5~前4世紀のアテナイ政治家生没年不詳。ペロポネソス戦争中ストラテゴス(将軍)を務め,敗戦後はアテナイの民主政回復のために活躍した。プラトン対話編《メノン》では公正で穏健な人物であるが,ソフィストに対する熱心な批判者として描かれている。前399年,その政治観に基づいて,弁論家のリュコンとはかりメレトスという青年をして古来の神々をないがしろにしたとの罪でソクラテス告発させ,処刑に至らせた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アニュトス」の意味・わかりやすい解説

アニュトス
Anytos

前5~4世紀のギリシアの政治家。前 404~403年三十人僭主を追放して,アテネ民主派指導者一人となる。前 399年3人の告発人の一人としてソクラテスを告発,そのためのちに追放され,ポントスヘラクレイアで殺されたと伝えられるが確かではない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android