アミメアリ(読み)あみめあり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミメアリ」の意味・わかりやすい解説

アミメアリ
あみめあり / 網目蟻
[学] Pristomyrmex pungens

昆虫綱膜翅(まくし)目アリ科に属する昆虫。日本各地および台湾、中国に分布する。体長は働きアリで約3ミリメートル。体は暗褐色触角や脚(あし)はより淡色。頭・胸部には粗い網目状の皺刻(しゅうこく)がある。樹木空洞石下家屋のすきまなど既存の空所を巣とする。長い行列をつくり餌場(えさば)に通う。また、行列をなしてしばしば巣を移転する。女王階級をもたず、単為生殖によって働きアリだけで繁殖する点で、アリ類のなかでは特異な存在である。少数の雄が生産されることもあるが、彼らは生殖に関与しないと考えられている。

[山内克典]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のアミメアリの言及

【アリ(蟻)】より

…オオズアカアリのように働きアリに大小2型がある場合は,大型のものを兵アリと呼ぶ。アミメアリ(イラスト)では雌アリの階級を欠き,働きアリの産卵でのみ繁殖する。一般に雌アリの寿命は長く,10年以上生存するものもあるが,働きアリでは1~2年である。…

※「アミメアリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android