アルゴンキン(読み)あるごんきん(英語表記)Algonkians

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルゴンキン」の意味・わかりやすい解説

アルゴンキン
あるごんきん
Algonkians

北アメリカの先住民集団(アメリカ・インディアン)。マクロ・アルゴンキン語族に属する言語を話す人々の総称。狭義ではオタワ近くのガティノー川流域の一集団をさす。マクロ・アルゴンキン語族の分布は広く、カナダ東部、南部の大部分と、アメリカ合衆国北西海岸、メキシコ湾岸、大平原の一部を占めていた。亜寒帯文化領域東部のモンタニェ・ナスカピMontagnais-Naskapi、北東部のオジブワOjibwa、大平原のシャイアンCheyenne、ブラックフットBlackfootなどが代表的な集団である。南部ではトウモロコシを中心とした農耕を行ったが、北部では狩猟が中心であった。モンタニェ・ナスカピやオジブワでは白人との毛皮取引が重要であり、オジブワはアメリカマコモを大量に利用した。大平原では狩猟が中心であったが、白人の持ち込んだ馬が狩りの効率を高め、大規模な野牛狩りを行った。北東部のアルゴンキン系諸集団はスー系のイロコイ同盟に圧迫され、白人との交易用の毛皮を求めるためもあって、しだいに西へ移動した。イロコイ同盟などと異なり、強固な民族連合、氏族組織をもたなかった。シャイアンなどの大平原集団は白人の侵入に強く抵抗したことで名高い。

[木村秀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「アルゴンキン」の意味・わかりやすい解説

アルゴンキン

北米に分布するアルゴンキン系の言語を話すアメリカ・インディアンの総称。ミクマック(中部・東部カナダ),クリー(五大湖地方),カリフォルニア,ブラックフット(アルバータ),シャイアン(モンタナ),アラパホ(モンタナ,ワイオミング,オクラホマ)などの諸族からなる。
→関連項目トマホーク

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android