アルドース

デジタル大辞泉 「アルドース」の意味・読み・例文・類語

アルドース(aldose)

アルデヒド基をもつ単糖類総称。アルドースとのその誘導体からなる天然糖類が多く存在し、ヘキソース大半を占める。主なアルドースとして、D-グルコース、D-ガラクトース、D-マンノースなどが知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルドース」の意味・わかりやすい解説

アルドース
あるどーす
aldose

アルデヒド基を有する単糖の総称。単糖はアルドースとケトースの二つのグループに分けられるが、天然に存在する糖類の多くは、アルドース、またはその誘導体よりなり、ヘキソースが多い。D-グルコース、D-ガラクトースおよびD-マンノースは代表的なアルドヘキソースであり、生理的に重要な単糖である。また、アルドペントースであるD-リボース、D-2-デオキシリボースはそれぞれ、RNAリボ核酸)、DNAデオキシリボ核酸)の構成成分として重要である。もっとも簡単な単糖であるグリセルアルデヒドは唯一のアルドトリオースである。

[飯島道子]

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化学辞典 第2版 「アルドース」の解説

アルドース
アルドース
aldose

アルデヒド基をもつ単糖類をいい,ケトースと区別される.その炭素数により,アルドトリオース,アルドテトロース,アルドペントース,アルドヘキソースなどに分類される.水に可溶.甘く,フェーリング液を還元し,銀鏡反応を示す.フェニルヒドラジンと反応して結晶性のヒドラゾンオサゾンをつくる([別用語参照]還元糖).ケトースと比べて対照的なのは酸化のされ方である.すなわち,アルドースを臭素水により穏やかに酸化すれば,アルデヒド基だけが酸化を受けてアルドン酸とよばれるモノカルボン酸となり,硝酸と熱すれば,分子両端が酸化されてアルダル酸(糖酸)とよばれるジカルボン酸になる.

図はD系のアルドースの構造と相互関係を示す.それらの立体配置はオサゾンをつくるか,炭素鎖を減成または増成し,あるいは酸化してジカルボン酸とするか,還元して糖アルコールに導くなどによって相互関係を明らかにして知ることができる.なお,ペントースとヘキソースについては糖鎖構造の表示に用いられる三文字記号を付記した.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルドース」の意味・わかりやすい解説

アルドース
aldose

アルデヒド基をもつ単糖類の総称。糖の炭素原子数により,アルドトリオース,アルドテトロース,アルドペントース,アルドヘキソース,アルドヘプトースなどの種類がある。たとえば,ブドウ糖はアルドヘキソースの一種である。

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栄養・生化学辞典 「アルドース」の解説

アルドース

 アルデヒド基をもつ単糖の総称で,ケトン基をもつケトースと区別される.グルコースは代表的なアルドース,フルクトースはケトース.

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世界大百科事典(旧版)内のアルドースの言及

【単糖】より

…アルデヒド基もしくはケトン基をもつ多価アルコールで,炭水化物の構成単位となっている化合物の総称。アルデヒド基を含むものをアルドースaldose,ケトン基を含むものをケトースketoseと呼ぶ。日常生活で最もよく出会う単糖はD‐グルコースD‐glucose(ブドウ糖)でC6H12O6の分子式をもつ。…

※「アルドース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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