アルフォンソ10世(賢王)(読み)アルフォンソじっせい[けんおう](英語表記)Alfonso X, el Sabio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アルフォンソ10世(賢王)
アルフォンソじっせい[けんおう]
Alfonso X, el Sabio

[生]1221. トレド
[没]1284.4.4. セビリア
カスティリア=レオン王 (在位 1252~84) ,ドイツの対立王 (在位 57~74) 。フェルナンド3世 (聖王)の子。学問,文学の保護者として,また天文学者を集めて,天体の位置を予言する「アルフォンソ表」を作成したことで知られる。その卓見に基づき『七部法典』 Las Siete Partidasを編纂。これは貴族勢力に対する王権優位を確立させようとした画期的な事業であった。しかし,実際の統治面では不人気であった。 1257年ドイツ国王に選挙されたが教皇からは認められなかった。また 75年,相続者のフェルナンドが死去し,『七部法典』の長子相続権によってフェルナンドの長子に相続権が与えられたため,アルフォンソ 10世の次男サンチョはこの決定を不満として,王権に対抗する貴族の先頭に立って父王と対陣した。内乱中アルフォンソ 10世は没したが,一方では,イスラム勢力からカルタヘナカディスを取戻し国土回復に努めた。

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