アレクサンダル(1世)(ユーゴスラビア国王)(読み)あれくさんだる(英語表記)Aleksandar Ⅰ Karadjordjević

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

アレクサンダル(1世)(ユーゴスラビア国王)
あれくさんだる
Aleksandar Ⅰ Karadjordjević
(1888―1934)

ユーゴスラビア国王(在位1921~1934)。1909年、父セルビア国王ペータル1世から皇位継承者に選定され、高齢で病気がちな父にかわり、1914年以後セルビア国摂政として国務に関与した。1918年、南スラブ人の統一国家「セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国」の建国を宣言し、1921年から統一国家の国王となった。集権分権かという国制の問題をめぐり、セルビア人とクロアチア人の対立が激化するなかで、1929年に議会を解散し国王の独裁を宣言、国名をユーゴスラビアと改称した。しかし国内の不満が高まり、1931年に新憲法を発布して議会を復活した。活発な外交活動を展開したが、国内問題が尾を引き、亡命クロアチア分離主義者により1934年マルセイユで暗殺された。

[柴 宜弘]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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