アレルギー性結膜炎(アレルギー性鼻結膜炎)(読み)あれるぎーせいけつまくえんあれるぎーせいびけつまくえん(英語表記)Allergic Conjunctivitis

家庭医学館 の解説

あれるぎーせいけつまくえんあれるぎーせいびけつまくえん【アレルギー性結膜炎(アレルギー性鼻結膜炎) Allergic Conjunctivitis】

[どんな病気か]
 アレルギー反応によっておこる結膜炎です。異物生体に侵入すると、免疫反応(めんえきはんのう)によって異物は除去され、無害化されます。しかし、この免疫反応が生体を傷害する方向に進むときがあり、これをアレルギーといいます。
[原因]
 アレルギー反応を誘発する原因物質を、アレルゲンと呼んでいます。
 病気の原因となるアレルゲンとしては、季節性(きせつせい)アレルギー性結膜炎(せいけつまくえん)(花粉症(かふんしょう))をおこすスギブタクサなどの花粉、通年性(つうねんせい)アレルギー性結膜炎(せいけつまくえん)をおこすダニハウスダスト、ペットの毛、薬剤などがあります。
 コンタクトレンズも巨大乳頭結膜炎(きょだいにゅうとうけつまくえん)という、アレルギー性結膜炎の原因となる場合があります。
 涙液(るいえき)が減少しているとアレルゲンを洗い流す作用が低下し、アレルギー性結膜炎をおこしやすくなります。
[症状]
 掻痒感(そうようかん)(目のかゆみ)、流涙(りゅうるい)、めやに(眼脂(がんし))、異物感、結膜充血、浮腫(ふしゅ)、まぶたの腫(は)れなどの症状が生じます。とくに、掻痒感はアレルギー性結膜炎に特徴的です。くしゃみ鼻水、鼻づまりといった、アレルギー性鼻炎の症状をともなうことがしばしばあります。
[検査と診断]
 典型的な場合には、症状から診断できます。
 原因となっているアレルゲンを調べるためには、皮膚にさまざまなアレルゲンを反応させる皮膚テスト(皮内(ひない)テスト、スクラッチテスト)やアレルゲンに反応する血液中の抗体こうたい)を調べる血液検査が必要です。
[治療]
 抗アレルギー薬やステロイド副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬)の点眼が行なわれます。ステロイドの点眼薬を使用する際には、緑内障(りょくないしょう)、白内障(はくないしょう)、真菌(しんきん)感染などの副作用に注意する必要があります。
[予防]
 原因となっているアレルゲンを避けることが重要です。花粉が原因の場合、花粉の飛散時期にはできるだけ外出を避け、外出するときはめがねやマスクを使用し、花粉との接触を避けるようにします。
 ダニやハウスダストが原因の場合には、部屋をよく掃除し、なるべくじゅうたんは避け、ほこりがたまらないようにします。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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