アングリーヤングメン(英語表記)Angry Young Men

改訂新版 世界大百科事典 「アングリーヤングメン」の意味・わかりやすい解説

アングリー・ヤング・メン
Angry Young Men

イギリスの劇作家ジョン・オズボーン戯曲《怒りをこめてふり返れ》(1956)から生まれた言葉で,既成秩序に不満をもち,旧来の価値観を受け入れようとしない反体制的な青年を指す。〈怒れる若者たち〉と訳される。狭義には,1950年代から60年代にかけて発表された,このような人物が登場する文学作品の作者,すなわち小説《急いでおりろ》(1953)のジョン・ウェイン,小説《ラッキー・ジム》(1954)のキングズリー・エーミスなどを指す。オズボーン,ウェイン,劇評家ケネス・タイナン,小説家ドリス・レッシング,《アウトサイダー》(1956)で知られるコリンウィルソンなど8人の寄稿を集めた《宣言》(1957)は,アングリー・ヤング・メンの見解のもっとも鮮明な表明である。ただし,もともとジャーナリズムが作った言葉であるから,彼らを統一する立場はなく,その後の思想傾向や行動もさまざまに異なっている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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