アンチ・セミティズム(英語表記)anti-semitism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンチ・セミティズム」の意味・わかりやすい解説

アンチ・セミティズム
anti-semitism

反セム主義とも呼ばれる。反ユダヤ人主義。ヨーロッパの反ユダヤ人主義には,(1) 宗教的理由,(2) 人種的偏見の2要因がある。 (1) はキリスト教ユダヤ教の対立感情に根ざすもので,その因は遠くキリスト磔刑にさかのぼるといわれる。キリスト教社会のいだく差別的感情のゆえに,ユダヤ人は,祖国滅亡後,キリスト教国に分散しながらも,閉鎖的宗教共同体を形成,中世都市の市民団体や一般の市民生活から離れて生活することとなった。反ユダヤ人主義のもとにあっては,キリスト教徒とユダヤ教徒との結婚は許されず,またユダヤ教徒も宗教的戒律のゆえに他教徒との婚姻を許さず,このため両者間の融合はさらにむずかしいものとなった。この意味での反ユダヤ人主義は,重商主義政策や啓蒙思想の影響で,18世紀頃から弱まっていった。 (2) は 19世紀来生じた非合理な人種的偏見。ヒトラーはこれを人種理論にしてユダヤ人をスケープゴートに仕立てナチス体制実現に利用した。ナチスは 600万人のユダヤ人を殺したといわれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「アンチ・セミティズム」の意味・わかりやすい解説

アンチ・セミティズム

反ユダヤ主義

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android