アンドレアデルカスターニョ(英語表記)Andrea del Castagno

改訂新版 世界大百科事典 の解説

アンドレア・デル・カスターニョ
Andrea del Castagno
生没年:1423-57

イタリア画家。小村カスターニョ生れ。20歳のころベネチアでモザイク下絵を制作したとされる。それ以外はフィレンツェで活動。代表作のサンタポロニア修道院の壁画《最後の晩餐》(1447)は,刻みこんだような強い描線で,人物の強靱な肉体と激しい感情を粗野なほど直截に表現した作品。それに対し,カルドゥッチ家別荘のために描かれた連作《著名紳士婦人たちの像》(1450ころ)では,繊細な明暗表現がかつての粗野なところに多少の洗練さを加えている。15世紀初頭のフィレンツェ芸術が理想とした,人物の堂々たる肉体性と主題の劇的な精神性を,追究しつづけた画家であった。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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