アンバール県(読み)アンバール(英語表記)al-Anbār

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンバール県」の意味・わかりやすい解説

アンバール〔県〕
アンバール
al-Anbār

イラク西部の県。県都はラマーディチグリス川ユーフラテス川の分水界から,シリアヨルダンサウジアラビアとの国境まで広がり,広大なシリア砂漠の一部を含んでいる。イラク最大の県で,1969年以前のラマーディ県を改称してつくられた。現在のラマーディの下流にあった古代アンバールは,アッバース朝創始期から,バグダード遷都まで同王朝の首都であった。県北をユーフラテス川が北西から南東へ貫流するが,県南をほぼ東西流するほかの河川は,ほとんど涸れ川 (ワディ) である。シリアからの道路は,ハディーサ,ヒートを経由するものと,砂漠横断のルトバ経由の2本があり,後者はヨルダンとも通じる。ユーフラテス沿岸では灌漑農業が開発されつつあり,綿花コムギ,野菜が栽培される。面積 13万 7808km2。人口 86万 5500 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android