アンヤン(安陽)特別市(読み)アンヤン(英語表記)Anyang

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンヤン(安陽)特別市」の意味・わかりやすい解説

アンヤン(安陽)〔特別市〕
アンヤン
Anyang

中国華北地方,ホーナン (河南) 省北部の商工業都市。4つの市区と5県から成る。ホワペイ (華北) 平原西部の扇状地上にあり,市街はウェイ (衛) 河支流のアンヤン河南岸に開け,チンコワン (京広) 鉄道が通る。古くから人類の居住した地域で,付近には石器時代から青銅器時代にかけての遺跡が多く,西郊のシヤオトン (小屯) 村には殷墟がある。戦国時代に開け,秦代に現在名となった。北周が 鄴の城市を破壊して住民を移住させたために,地方の中心都市となった。隋代以後は郡や路の治所で,明,清では彰徳府の府治。市域一帯はアンヤン河,チー (淇) 河などの水に恵まれ,肥沃な黄土におおわれており,灌漑水路も発達してコムギトウモロコシ,芋類,ワタなどの農業が盛ん。工業の中心はアンヤン鋼鉄公司で,北西郊のリーチェン (李珍) やネイホワン (内黄) 県の鉄鉱石を原料としている。このほか金属線,農業機械,工作機械,水利機械,鍛造圧延機械,ベアリングなどの機械工業が盛ん。衣料品,油脂,たばこなどの軽工業もある。古跡が多く,隋代の古塔がある天寧寺,宋の政治家で詩人でもある韓 琦の旧居と詞廟などがある。人口 476万 314,うち市区人口 61万 6802 (1990) 。

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