イグナティエフ(英語表記)Nikolai Pavlovich Ignat'ev

改訂新版 世界大百科事典 「イグナティエフ」の意味・わかりやすい解説

イグナティエフ
Nikolai Pavlovich Ignat'ev
生没年:1832-1908

ロシア外交官政治家,伯爵。政治家の子として生まれ,1856年より外交官として勤務。59年駐清国大使に任命され,翌年北京条約締結。この条約により,黒竜江左岸およびウスリー川以東の地域はロシア領となった。64-77年駐トルコ大使。サン・ステファノ条約準備をしロシアに有利な条約を結んだが,ベルリン会議以後外交界から身を引いた。81-82年内相に就任し,アレクサンドル3世の下で,革命運動を弾圧し,反動政策を推進した。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「イグナティエフ」の解説

イグナティエフ
Nikolai Pavlovich Ignat'ev

1832~1908

ロシアの外交官。1858年ブハラにおもむいて通商条約を結び,60年には北京条約を結んで中国にウスリー江東岸の地を割譲させ,78年にはロシア‐トルコ戦争結末をつけてサン・ステファノ条約を結んだ。81年に内務大臣になる。

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旺文社世界史事典 三訂版 「イグナティエフ」の解説

イグナティエフ
Nikolai Pavlovich Ignatiev

1832〜1908
ロシアの政治家・外交官
ムラヴィヨフの外交顧問としてアイグン(愛琿)条約・北京条約の締結に活躍した。その後,バルカンのパン−スラヴ主義を指導し,露土(ロシア−トルコ)戦争でサン−ステファノ条約を作成。1881年内相に就任し,ロシア革命まで存続した非常警察法を制定,反動政治の中心であった。

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