イタチキツネザル(読み)いたちきつねざる(英語表記)sportive lemur

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イタチキツネザル」の意味・わかりやすい解説

イタチキツネザル
いたちきつねざる
sportive lemur
[学] Lepilemur mustelinus

哺乳(ほにゅう)綱霊長目キツネザル科の動物。マダガスカル島固有の原猿で、全島に広く分布する。5亜種に分類されるが、5種として扱う見解もある。頭胴長25~35センチメートルで、尾もほぼ同長。目と耳介は大きい。体毛は赤みを帯びた灰色を基本とするが、亜種ごとに変わる。上あごの門歯がなく、

で歯の数は32本。夜行性の単独生活者で、ほとんど葉しか食べない。体を垂直に保った姿勢で幹から幹へ飛び移る。昼間は木のうろの中で体を丸めて眠る。

[上原重男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のイタチキツネザルの言及

【キツネザル】より

…夜行性から昼行性への移行を示しており,早朝と夕方に活動する薄暮性の種が多い。ただイタチキツネザル(イラスト)だけは完全な夜行性で,その他の性質がよりインドリ科のものに似ていることからも,これを独立の亜科として扱うべきだという意見もある。社会生活でも,イタチキツネザルだけは単独生活者であり,それ以外のキツネザル亜科のものは集団生活を行っている。…

【原猿類】より

…交尾期,出産期の決まった種が多く,ふつう年1回,赤道直下では年2回の例が知られており,出産期は乾季の終りに訪れる。歯式は,ツパイがメガネザルがロリスとキツネザルがイタチキツネザルはインドリがアイアイはである。 原猿類の半分以上は夜行性で,夜行性のものは一般に雑食性であり単独生活を送る。…

※「イタチキツネザル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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