イタリア風序曲(読み)いたりあふうじょきょく

世界大百科事典(旧版)内のイタリア風序曲の言及

【交響曲】より

… 交響曲の前身はイタリア・オペラの序曲である。これは〈シンフォニア〉〈イタリア風序曲〉と呼ばれ,〈フランス風序曲〉とともに17~18世紀の二大序曲形式となった。シンフォニアの歴史はナポリ楽派の1680年代のコメディ風オペラ(A.スカルラッティ)に始まる。…

【序曲】より

…〈管弦楽組曲〉と通称されるJ.S.バッハの4曲の組曲はいずれも荘重なフランス風序曲をもつことで知られる。17世紀末に,この書法とは対照的な急―緩―急の部分からなる様式の〈イタリア風序曲〉が登場した。ナポリ楽派の始祖ともされるA.スカルラッティが取り入れたこの様式は軽快で,ホモフォニックな書法を特徴とし,シンフォニアとも呼ばれて,やがて18世紀の交響曲やソナタの形成に大きな影響力をもった。…

【シンフォニア】より

…イタリア語で交響曲をさすほか,イタリア起源のさまざまな楽曲の名称としても使われた語。なかでも重要なのは17世紀末の〈イタリア風序曲〉で,これをシンフォニアと呼んだ。急―緩(舞曲風の)―急の3楽章からなり,本来はオペラの序曲で,のち単独に演奏されるようにもなった。…

【ナポリ楽派】より

…とりわけオペラの創作・上演は重要で,ナポリ楽派のオペラと声楽教育のメソードは18世紀ヨーロッパでは一つの模範となった。ベネチアからもたらされたオペラを発展させ,レチタティーボアリアの明確な分離,ダ・カーポ・アリアとイタリア風序曲の確立,名技的な歌唱技巧の涵養等に貢献した。加えて,1720年代のメタスタージオによるリブレット改革を経てオペラ・セーリアとオペラ・ブッファという二大様式を打ち立てるなど,ナポリ楽派はオペラ史上大きな意義をもつ。…

※「イタリア風序曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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