イブン・キッリス(読み)いぶんきっりす

世界大百科事典(旧版)内のイブン・キッリスの言及

【アジーズ】より

…彼の治世はファーティマ朝の版図が最大となり,エジプトがもっとも繁栄した時である。内政面では宰相(ワジール)イブン・キッリスIbn Killis(930‐991)に代表されるようにユダヤ教徒,キリスト教徒を官僚として採用し,エジプトに経済的繁栄をもたらした。外交的には,ビザンティン帝国とアッバース朝に対する戦いの根拠地としてのシリアの平定が活動の中心であった。…

【エジプト】より

…この危機に登場したのが軍人出身の宰相バドル・アルジャマーリーBadr al‐Jamālī(?‐1094)で,彼はアルメニア軍団の武力を背景に諸改革を実行し,エジプトに秩序の回復と経済的な復興をもたらした。このシーア派王朝の下でコプト教徒とユダヤ教徒の待遇は改善され,特に前半期にはユダヤ教徒のイブン・キッリスIbn Killis(930‐991)をはじめとしてジンミーで宰相(ワジール)の職を得た者は,ユダヤ教徒出身者が2名,コプト教徒出身者が5名に達した。カイロで発見されたゲニザ文書によれば,この時代の商業活動はムスリムとコプト教徒やユダヤ教徒との協業によって行われ,各街区(ハーラ)でもこれらの信徒は混住しているのが一般的であった。…

※「イブン・キッリス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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