イリアン・ジャヤ[州](読み)イリアンジャヤ

百科事典マイペディア 「イリアン・ジャヤ[州]」の意味・わかりやすい解説

イリアン・ジャヤ[州]【イリアンジャヤ】

インドネシアの州。ニューギニア島の西半分を占め,東方はパプア・ニューギニアに接する。かつて西イリアンと呼ばれた地域で,西にチェンドラワシ半島,北にイリアン湾をいだき,島の脊梁(せきりょう)をなすマオケ山脈が中部を貫通。南半はディグル川流域などの湿原を形成する。集落は北岸,北西岸に多い。住民はパプア人だが,地域・言語によって多くの集団に分かれる。また,ジャワ人,マレー人,華人の移住者も見られる。島の東半のパプア・ニューギニア側と比べると開発は遅れているが,石油をはじめ豊かな地下資源が注目されている。1885年オランダが領有オランダ領ニューギニアとなる。第2次大戦後イリアン・ジャヤ問題が起こり,1969年正式にインドネシア領となる。1960年ころから,パプア系住民による〈自由パプア運動〉を中心とする独立運動が展開されており,インドネシア政府は懐柔に努めてきたが,2000年には現地住民が独立宣言をする事態に発展している。2002年パプア州に改称。2003年西イリアン・ジャヤ州を分離。主都ジャヤプラ。31万9036km2。283万3381人(2010)。
→関連項目インドネシアスカルノトリコラ[山]

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