イーリー大聖堂(読み)イーリーダイセイドウ(英語表記)Ely Cathedral

デジタル大辞泉 「イーリー大聖堂」の意味・読み・例文・類語

イーリー‐だいせいどう〔‐ダイセイダウ〕【イーリー大聖堂】

Ely Cathedral》英国イングランド東部の都市イーリーにある大聖堂。7世紀のサクソン朝時代に聖エセルドレダが創建した修道院・尼僧院に起源する。11世紀から14世紀にかけて現在見られる教会が建造された。ノルマン様式、イングランドゴシック様式が混在する。特に八角形の塔とオルコック礼拝堂は、その独特な建築様式で知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イーリー大聖堂」の意味・わかりやすい解説

イーリー大聖堂
いーりーだいせいどう
Ely Cathedral

イギリス、ケンブリッジの北東25キロメートル、古さびた木組みの家々が並ぶイーリーの町にある聖堂。673年ごろにできた修道院に起源をもつ。現在の建物は1083年に起工、その後約450年間にわたり工事が行われ、イギリスの聖堂建築の諸様式が一堂に会していて興味深い。内陣の基本部分から西正面の塔まではノルマン様式で、1189年に完成。前廊は1215年に完成し、内陣奥の延長部分とともにみごとな初期イギリス様式である。前廊に入ると、163メートルの奥にある東窓まで見通すことができ、荘厳無比な感じを受ける。交会部にある八角形の塔は、他に類例のない特異な構造をもち、北袖廊(そでろう)に接するオルコック礼拝堂とともに、14世紀の盛飾様式の一大傑作である。内陣の最奥垂直様式で、1533年に完成した。

[紅山雪夫]

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