ウィルソン,R.W.(読み)うぃるそん

世界大百科事典(旧版)内のウィルソン,R.W.の言及

【宇宙】より

…天王星を発見した(1781)F.W.ハーシェルはその後この考えを観測的に発展させ,初めて銀河系のモデルを発表した。20世紀初めのJ.C.カプタインの研究に至るまで続いた,太陽を中心付近に置く銀河系モデルを画期的に改めたのは,1917年アメリカのウィルソン山に完成した2.5m反射望遠鏡を用いたH.シャプリーの研究であった。これによって,銀河系はそれまで考えられたよりずっと大きく,太陽は中心よりはるかに端に寄って位置することが明らかにされた(現在では,直径約10万光年の中心部の膨れた薄い円盤状の銀河系は約2000億個の恒星からなり,太陽は中心から約3万光年の円盤内にあるとされる。…

【宇宙背景放射】より

…電波の強度が絶対温度約3Kに相当することから3K放射,電波のスペクトルが黒体放射の性質を有することから宇宙黒体放射などとも呼ばれる。 この電波は,1965年,アメリカの技術者ペンジアスA.A.PenziasとウィルソンR.W.Wilsonによって発見された。ビッグバン宇宙論によれば,宇宙の初期には高温,高密度の時期があり,宇宙はまったく不透明であったと考えられている。…

【ビッグバン】より

…しかし,そのころはまだ,ビッグバンの直接の証拠は観測されておらず,少数の人々を除いて,ガモフの理論は,あまり着目されなかった。しかし,64年,アメリカの物理学者ペンジャスArno A.PenziasとウィルソンRobert W.Wilsonによって,3Kという非常に低温の光(宇宙背景放射)が宇宙を満たしていることが発見され,同時に,ピーブルスP.J.E.PeeblesやディッケR.H.Dickeらの理論物理学者によって,これが熱い初期宇宙の痕跡であることが明らかにされ,さらに,理論的に予見される宇宙初期の元素合成量が,観測事実とよく一致することが確認されてビッグバン理論は確立した。 最近,物質のより基本的な構造が明らかにされるに従って,宇宙論においても元素合成の時代よりさらにさかのぼった高温高密度の時代のようすが研究されており,物質そのものの起源やビッグバンそのものの起源といったより哲学的な問題が,物理の問題として解明されるのも夢ではなくなってきている。…

※「ウィルソン,R.W.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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