改訂新版 世界大百科事典 の解説
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (ウィーンフィルハーモニーかんげんがくだん)
Wiener Philharmoniker
1842年に結成されたヨーロッパ屈指のオーストリアの管弦楽団。元来,ウィーン宮廷歌劇場の楽団であったが,宮廷楽長のO.ニコライの指揮で演奏会活動も行うようになった。今日でもオペラの場合にはウィーン国立歌劇場管弦楽団,演奏会の場合は上記の名称を名のっている。この楽団は楽員の自主運営により指揮者も楽団員によって選定される。これまで,マーラー,ワインガルトナー,フルトベングラーらが常任指揮者をつとめており,1971年よりアッバードClaudio Abbado(1933- )がその地位にある。落ち着いた優雅さとともに音質がよく統一されているのが特徴であるが,しばしば古風な印象も与える。1956年ヒンデミットの指揮で初来日。ベームの指揮によるベートーベンの交響曲全曲録音もある。
執筆者:西原 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報