ウェルト,E.(読み)うぇると

世界大百科事典(旧版)内のウェルト,E.の言及

【くわ(鍬)】より


[くわの種類]
 くわは柄の長さと形(直材,曲材),耕刃の材質(鉄,石,骨格,木など)と形(板ぐわ,又ぐわなど),柄角の大小,耕刃と柄のとりつけ法などに相違があり,それらが組み合わされてくわの形態はさまざまとなり,地域差も大きい。ウェルトE.Werthはこのなかで耕刃と柄のとりつけ法を重視し,(1)リング柄式 木を折り曲げて柄とし,その折り目に耕刃の首をさし込んで籐などでしばって固定するもの,(2)撞木(しゆもく)むすび式 ほぼT字形の木のまたなどを柄とし,T字の上面に耕刃の首をあてて籐などをまいて固定したもの,(3)屈曲柄式 鋭角状に屈曲する木のまたの一方を短くし,そこに耕刃の首をあてて籐などをコイル状にまいて固定するもの,(4)柄孔さし込み式 先端がやや太くなった棍棒状の柄に耕刃の細い首をさし込んで固定するもの,(5)旗むすび式 旗を旗ざおにむすびつけるように,耕刃の肩を柄と平行状にあてて籐などを巻きつけて固定するもの,(6)刃孔さし込み式 耕刃には首がなく上端部に刃孔があって,そこに柄を通して固定するもの,に分類する。彼は(1)~(5)が熱帯のくわ農耕地帯で発生したのに対し,(6)をヨーロッパの犂農耕の所産とし,そこからユーラシアや北アフリカに伝播していき,世界のくわの主流となったとする。…

【すき(犂)】より

…それは,前記の犂農業の基本複合のうち,各種の麦類,雑穀の一部(アワ,キビ),大家畜(牛,ラクダ)の原産地がいずれもこの範域に含まれていることによる。掘棒から犂の発生を考えるウェルトEmil Werthは,犂農業と鍬農業の併存地帯のうちインド北西部からアフガニスタン付近を起源地と想定している。一方前3千年紀ごろに犂の存在がメソポタミアで確認されること,また車輪のような家畜の牽引力利用の発明地が西アジアと考えられることなどから,この範域でも西寄りに犂の発生地を求める見解もある。…

※「ウェルト,E.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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