ウォイツェック(英語表記)Woyzeck

デジタル大辞泉 「ウォイツェック」の意味・読み・例文・類語

ウォイツェック(〈ドイツ〉Woyzeck)

ビュヒナーによる未完戯曲。1836年に執筆され、1879年に出版初演は1913年。小心ものの兵士がたどる悲劇的な運命を描く。ベルクによるオペラ化作品の原作として有名になった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウォイツェック」の意味・わかりやすい解説

ウォイツェック
Woyzeck

ドイツの劇作家 G.ビュヒナーの戯曲。未完。 1879年出版,初演 1913年ウィーン。未完のため,戯曲としての形は完成しておらず,いくつかの場面が残されているだけである。しがない兵士のウォイツェックは,生きがいであった恋人マリー上官と通じたことから,血まみれの刃物のような月に照らされた池の近く,林の中で彼女を殺害し,みずからも池に沈むという悲劇。ドイツ文学史上初めてプロレタリアートを登場させた戯曲ともいわれ,平凡な主人公周囲の俗悪な環境によって次第に狂気に駆られていくさまを,鋭いイメージで描いている。のちに,A.ベルクがこの戯曲をオペラとして作曲し (1925) ,広く世界に知られることとなった。

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