ウシャクルギル(英語表記)Halit Ziya Uşaklıgil

改訂新版 世界大百科事典 「ウシャクルギル」の意味・わかりやすい解説

ウシャクルギル
Halit Ziya Uşaklıgil
生没年:1866-1945

トルコ作家。《学問の富Serveti-Fünun》誌を編集して西欧近代文学思潮を導入し,トルコ口語文学の開拓者の一人と目される。とくにフランス自然主義の影響をうけ,また芸術至上主義立場から政治変動にも超然とした姿勢を続けた。裕福な家庭の出身フランス語に熟達し,しばしば西欧に遊学した。代表作小説《青と黒》(1897),《しおれた花束》(1901),回想録《四十年》(1936)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウシャクルギル」の意味・わかりやすい解説

ウシャクルギル
うしゃくるぎる
Halit Ziya Usakligil
(1866―1945)

トルコの小説家イズミルの神学校に在学中、西欧文学に興味をもち始めた。卒業後、オスマン銀行翻訳局員、たばこ専売公社書記局長などを歴任。この間、『新しき日』誌を刊行し、新文学運動の旗手として『青と黒』(1897)、『ある作品の生涯』(1900)、『禁じられた恋』(1900)など、自然主義的作風をもつ小説を発表し、トルコにおける近代文学の確立に大きな役割を果たした。

[永田雄三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウシャクルギル」の意味・わかりやすい解説

ウシャクルギル
Uşaklıgil, Hâlit Ziya

[生]1866. イスタンブール
[没]1945.3.27. イスタンブール
トルコの作家。 1896年『学問の富』 Servet-i Fünûn誌に参加し,新しい文学流派の代表としてトルコ文学のヨーロッパ化に努めた。代表作『青と黒』 Mavi ve Siyah (1897) ,『禁じられた愛』 Aşk-i Memnu (1900) 。

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