ウルルン(鬱陵)島(読み)ウルルンとう(英語表記)Ullǔng-do

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルルン(鬱陵)島」の意味・わかりやすい解説

ウルルン(鬱陵)島
ウルルンとう
Ullǔng-do

大韓民国キョンサンプク(慶尚北)道に属する島。ポハン浦項)港から北東 268kmの日本海上にある。面積 71.7km2新第三紀から第四紀にかけて噴出した粗面岩と玄武岩からなる。中央に一辺約 2.5kmのほぼ三角形をしたカルデラと,中央火口丘のナン(卵)峰がある。外輪山の一つソンイン(聖人)峰(983m)が最高点で,放射状に浸食谷が刻まれる。海岸は柱状節理が発達し,比高 30~60mの海食崖をなす。ナリ(羅里)盆地と呼ばれる火口原が唯一の平野で,用水は豊富であるが耕地は少ない。古くは于山国をなし,513年新羅に服属して,武陵,羽陵,于陵とも呼ばれた。海賊の横行などにより無人の時期が長かったが,19世紀後半に移民が定住した。主産業は漁業で,スケトウダラ,イカ,エビの水揚げが多い。自給的な牧牛,農業も行なわれている。

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