ウンディーネ(英語表記)Undine

デジタル大辞泉 「ウンディーネ」の意味・読み・例文・類語

ウンディーネ(〈ドイツ〉Undine)

水の精。若く美しい女性の姿をしており、人間男性と結ばれると魂を得るという。オンディーヌ
ドイツの作家フケーの小説。1811年刊行。美しい水の精と騎士が恋に落ち結ばれるが、騎士は他の女性に心変わりしたため精霊の掟によって命を落とす。

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改訂新版 世界大百科事典 「ウンディーネ」の意味・わかりやすい解説

ウンディーネ
Undine

小説や歌劇を通して広く知られているゲルマンの水の仙女パラケルスス造語によるが,その語源はラテン語undina(undaは波,水の意)。人間と愛によって結ばれ子を生めば魂を与えられるが,人間の苦悩と罰も同時に受けると伝えられている。イギリスの作家ポープの《髪盗人》(1712)では,優しい女性は死後水の精になると書かれてある。ゲルマン伝説を基にドイツの作家フケーは,水の精と騎士の愛と死の物語《ウンディーネ》(1811)を書いた。またジロードゥーはこれを現代化した戯曲《オンディーヌ》(1939)を書いている。
メリュジーヌ
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウンディーネ」の意味・わかりやすい解説

ウンディーネ
Undine

ドイツのフランス系作家 F.H.K.フケー童話。 1811年刊。騎士に愛されて魂を得た水の妖精ウンディーネが,愛を裏切られて騎士を殺すが,その墓を取巻く美しい流れとなり,永遠に彼をいだき続けるという物語。のちフランスの劇作家ジロドゥが戯曲に翻案 (『オンディーヌ』 1939) した。

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世界大百科事典(旧版)内のウンディーネの言及

【人魚】より

…そして,魂を手に入れる方法の一つが人間と結婚することである。パラケルススはこの人魚伝説を参考にし,彼が錬金術上のシンボルとして創案した水の精ウンディーネをも,人間と結婚することで魂を得る存在と性格づけた。このような人魚観は,フケーの《ウンディーネ》やジロードゥーの《オンディーヌ》の素材となった。…

※「ウンディーネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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