エゾヤチネズミ(読み)えぞやちねずみ(英語表記)Clethrionomys rufocanus bedfordiae; Yezo red-backed vole

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エゾヤチネズミ」の意味・わかりやすい解説

エゾヤチネズミ
えぞやちねずみ / 蝦夷野地鼠
grey red-backed vole
[学] Clethrionomys rufocanus bedfordiae

哺乳(ほにゅう)綱齧歯(げっし)目キヌゲネズミ科の動物北海道に広く分布する。頭胴長11センチメートル。草食性で、冬は植林木の樹皮や根を食べる。春から夏にかけて1産3~7子を産む。

[宮尾嶽雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エゾヤチネズミ」の意味・わかりやすい解説

エゾヤチネズミ
Clethrionomys rufocanus bedfordiae; Yezo red-backed vole

齧歯目ネズミ科。体長 10~13cm,尾長 4.5~5.5cm。背はココア色,下面はばら色を帯びた白色冬毛は長く,くすんだ色になる。低地草原に多いが,高地森林にも生息する。草類,ササなどを好むが,植林地のカラマツなどの若木も食べるので,害獣として問題になっている。北海道,千島列島南部に分布する。

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世界大百科事典(旧版)内のエゾヤチネズミの言及

【ヤチネズミ(谷地鼠)】より

… 日本には北海道に5種が分布する。もっとも広く生息しカラマツの植林地などに大害を及ぼすエゾヤチネズミC.rufocanus bedfordiae,おもに高山の森林にすむ小型で美しいミカドネズミC.rutilus mikado,高山のお花畑や谷あいの草地などにミヤマムクゲネズミC.montanus,利尻・礼文島には草原にシコタンヤチネズミC.sikotanensis,その森林には世界でもっとも大きなヤチネズミであるリシリムクゲネズミ(ムクゲヤチネズミ)C.rexがみられる。なお,上記のうち2種にムクゲネズミの名があるが,これはヤチネズミ属特有の体背面の赤色の縦帯をほとんど欠き,体毛がむく毛状のため,一見して他と区別可能なためである。…

※「エゾヤチネズミ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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