エビアン水(読み)えびあんすい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エビアン水」の意味・わかりやすい解説

エビアン水
えびあんすい

フランスでつくられる瓶詰飲料水で、エビアン水(株)の商品名Évian。ミネラルウォーターの代名詞として使われることもある。良質の天然鉱水を浄化し、瓶詰にしたもので、かなり多量のミネラルを含んでいる。ヨーロッパなど水質の悪い地方では、水道水に比べて硬度も低く、冷やして飲めば味もよいので、一般家庭やレストラン、ホテルなどで広く用いられている。エビアン・レ・バンが原産地類似のフランス産瓶詰飲料水にビテルVittelやビシーVichyなどがあり、いずれも健康によいとして世界各国に輸出されている。

 日本でも各地の鉱泉水や地下水を浄化し、瓶詰にして「日本エビアン水」として売り出されており、酒場などで水割り用に使われている。値段は水道水に比べてフランス産、日本産でもかなり高価なものである。

[小島貞男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のエビアン水の言及

【エビアン・レ・バン】より

…その良質な水を利用して月に3000万本以上のミネラル・ウォーターを産出する。エビアン水の効能が知られ始めたのは18世紀初頭である。1962年3月18日に発表されたアルジェリアの民族解放戦線とフランスとの停戦協定はこの地で交渉が行われたことからエビアン協定と呼ばれる。…

【ミネラル・ウォーター】より

…ヨーロッパでは健康によいとして鉱泉(温泉)の水を飲用する習慣があり,また一般の水は良質なものが少ないため,鉱泉水が高く評価され,瓶詰にして食卓用(eau de table)に利用されている。なかでもフランスのエビアン・レ・バン(エビアン水Évian),ビシー(ビシー水Vichy),ビッテル(ビッテル水Vittel)で採取される鉱泉水は有名である。なお18世紀から人工的にミネラル・ウォーターをつくることも行われ,また炭酸入り飲料をミネラル・ウォーターということもある。…

※「エビアン水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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