エリコン山(読み)エリコンさん(英語表記)Óros Elikón

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エリコン山」の意味・わかりやすい解説

エリコン山
エリコンさん
Óros Elikón

エリコナス Elikónasともいう。古代ギリシア語読みではヘリコン Helikōn。ギリシア,バルカン半島南東部にある山地北西パルナソス山から続く山地で,アテネ西北西約 80kmに位置する。最高点は 1748mで,東部にある。古代には聖山とされ,ムーサイ (ミューズ) の山として知られたほか,山中には天馬ペガソスが足で蹴って湧出させたという泉がある。また2世紀のギリシアの旅行家パウサニアスによってギリシアで最も豊穰な山と記されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリコン山」の意味・わかりやすい解説

エリコン山
えりこんさん
Elikón Óros

ギリシア中東部、ボイオティア県南西部の山。コリント地峡の北、パルナッソス山の南東に位置する。別称ヘリコンHelikon山。最高峰パリオブナは標高1749メートル。古代には、アポロンの神や詩の女神たちの住む神聖な山として知られた。東斜面のザゴラにはイオニア式のミューズの神殿、劇場跡などがある。詩人ヒポクレネやアガニペの霊泉があり、詩想源泉の地ともみなされている。

[真下とも子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android