エリザベス[1世](読み)エリザベス

百科事典マイペディア 「エリザベス[1世]」の意味・わかりやすい解説

エリザベス[1世]【エリザベス】

チューダー朝イングランドの女王(在位1558年―1603年)。ヘンリー8世と2番目の王妃アン・ブーリンの子。異母姉メアリー1世の治世では王位継承権を奪われ苦難の日を送ったが,25歳で即位。宗教面では中道政策を採り,国王至上法礼拝統一法を発布して英国国教会を確立させ,カトリックピューリタン両者を抑圧した。国際紛争にまきこまれることを極力避け,スペイン国王フェリペ2世の求婚を拒み,一生独身を通したが,オランダ,フランスの新教徒をひそかに援助し,1588年スペインの無敵艦隊襲撃を退けて,国威を高めた。内政面では,中産階級を積極的に登用し,困難な社会情勢に多くの立法をもって対処し,〈楽しきイングランド〉と謳歌(おうか)された。女王の死でチューダー朝は終わり,生涯のライバルであったメアリー・スチュアートの子のジェームズ(1世)が即位して,スチュアート朝となった。
→関連項目アイルランドエセックス伯エリザベス朝演劇キャムデンスペンサーセシル絶対王政タリス徒弟法ドレークバードメアリー・スチュアートレスター伯ローローリー

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