エルガー

精選版 日本国語大辞典 「エルガー」の意味・読み・例文・類語

エルガー

(Sir Edward Elgar サー=エドワード━) イギリス作曲家。オルガニストを経て作曲活動にはいる。代表作変奏曲「謎(なぞ)」、行進曲「威風堂々」など。(一八五七‐一九三四

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デジタル大辞泉 「エルガー」の意味・読み・例文・類語

エルガー(Edward Elgar)

[1857~1934]英国の作曲家。パーセル以来の天才といわれ、英国音楽の再建貢献。代表作に「エニグマ変奏曲」、行進曲「威風堂々」など。

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百科事典マイペディア 「エルガー」の意味・わかりやすい解説

エルガー

英国の作曲家。イングランド中部のウースター近郊に生まれる。楽器商兼オルガン奏者の父に手ほどきを受け,ほとんど独学でピアノや弦楽器,楽理を習得。父の後を継いで生地の教会のオルガン奏者を務めたのち本格的な作曲活動に入り,管弦楽曲エニグマ(謎)変奏曲》(1899年)で一躍名声を得た。続く合唱曲《ジェロンティアスの夢》(1900年)はR.シュトラウスに称賛され,以後,パーセルの死後2世紀にわたる空白期にあったイギリス作曲界復興旗頭となった。作品はロマン派の様式を受け継ぎ,H.リヒターに献呈された《交響曲第1番》(1907年−1908年),《同第2番》(1903年−1911年),《チェロ協奏曲》(1919年)などの代表作のほか,行進曲《威風堂々》第1番や管弦楽曲《愛の挨拶》が広く親しまれている。映画監督ケン・ラッセルにBBCテレビで手がけた伝記映画(1962年)がある。→カーペンターボーン・ウィリアムズ
→関連項目デュ・プレ

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改訂新版 世界大百科事典 「エルガー」の意味・わかりやすい解説

エルガー
Edward William Elgar
生没年:1857-1934

イギリスの作曲家。楽器商の息子としてウースターに生まれ,ほとんど独学で作曲を修めた。最初の傑作《エニグマ(謎)変奏曲》(1899)は,イギリスの管弦楽曲を初めて国際的に認めさせた作品であり,合唱曲《ジェロンティアスの夢》(1900)も好評を博した。20世紀初頭におけるイギリス音楽の復興を成しとげ,パーセルの没後200年にわたるイギリス作曲界の空白を埋めた功績は大きい。ほかに序曲《ロンドン下町》(1901),行進曲《威風堂々》全5曲,弦楽合奏曲など多数。その書法は緻密(ちみつ)な職人芸によって書きこまれ,温かい人間味と内向的な憂愁は聴き手に慰めを与える。第2次世界大戦後のイギリスで盛んな復活を示していた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルガー」の意味・わかりやすい解説

エルガー
えるがー
Edward Elgar
(1857―1934)

イギリスの作曲家。ブロードヒル(ウースター近郊)の教会のオルガン奏者の父親から音楽の手ほどきを受けたが、作曲はほとんど独学で習得。初め地方音楽家として働いていたが、やがて作曲家として活動を開始し、管弦楽曲『エニグマ(謎(なぞ))変奏曲』(1899)、オラトリオ『ジェロンティウスの夢』(1900)などによってその地位を確立した。とくに後者はリヒャルト・シュトラウスによって賞賛され、ヨーロッパ大陸にも彼の名は知られるに至った。エルガーの本領は、合唱を用いたオラトリオやカンタータなどにあるが、交響曲や協奏曲などの管弦楽作品に手腕を発揮している。その音楽はワーグナーブラームスなど後期ロマン派の作曲家の影響を受けているが、親しみやすい旋律と巧みな職人的技巧によって高貴な人間感情をうたいあげ、イギリス国民の高い評価を受けるとともに、世界中で親しまれている。行進曲『威風堂々』(5曲のうち、1902年のエドワード7世戴冠(たいかん)式に用いられた第1番がもっとも有名)はとくに知られている。

[寺田兼文]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルガー」の意味・わかりやすい解説

エルガー
Elgar, Sir Edward (William)

[生]1857.6.2. ブロードヒース
[没]1934.2.23. ウースター
イギリスの作曲家。父はローマ・カトリックのオルガン奏者。 16歳のとき,父の意志でロンドンの弁護士事務所で働くが,音楽を断念できず独学で作曲や演奏の技術を学ぶ。 1879年アドルフ・ポリツァーにバイオリンを習う。 85~89年父の跡を継いで,聖ジョージ教会のオルガン奏者をつとめる。『謎の変奏曲』 (1899初演) で作曲家として認められ,続いてオラトリオ『ジェロンティアスの夢』 (1900) は彼の名声を確固たるものとした。「イギリス音楽のルネサンス」と呼ばれる時期の代表的作曲家の一人で,第1次世界大戦後は室内楽の作品を多く書いている。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「エルガー」の解説

エルガー

イギリスの作曲家。ウースター近郊ブロードヒースに生まれ、10歳より作曲を始める。正式な音楽教育を受けないまま15歳で弁護士事務所で働き始め、16歳でフリーの音楽家として独立。1885年に聖ジョ ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

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