エレクトロクロミック表示装置(読み)エレクトロクロミックひょうじそうち(英語表記)electrochromic display

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

エレクトロクロミック表示装置
エレクトロクロミックひょうじそうち
electrochromic display

ECDとも略称される。電圧印加による電気化学的酸化還元反応によって,物質の色が可逆的に変化するエレクトロクロミック (EC) 現象を応用したディスプレイ装置。 EC材料としてはビオロゲン塩などの有機物質や無定形酸化タングステン (α-WO 3 ) などが用いられる。 ECDの特徴は,発光ダイオードなどのようにみずから発光するものではなく,外部周囲光を吸収変調して表示を行う受動型ディスプレイである。さらに駆動電圧が低く ( 0.5~20V ) ,不揮発性記憶効果を有するほか,視角依存性がなく,偏光板を使用しないので見やすいなど,同じ受動型ディスプレイである液晶ディスプレイよりすぐれた点が存在するが,消費電力が液晶ディスプレイよりはるかに大きいという欠点がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android