オイラーの図式(読み)おいらーのずしき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オイラーの図式」の意味・わかりやすい解説

オイラーの図式
おいらーのずしき

命題推論を次のように図式化したものである()。「Aである」「Aでない」をそれぞれ円Aの内部外部で表す。「AはBである」は円Aを円Bの内部に、「あるAはBである」「あるAはBでない」を円Aと円Bを交差させ、「AはBでない」を、円Aを円Bの外部に書いて表す。推論が正しいということは、その推論の前提前述方式で書き上げたとき、結論がすでに書かれていることと考える。たとえば、「AはBである」「BはCである」それゆえ「AはCである」の前提を書けば、円Aは円Bの、円Bは円Cの内部に書かれる。このとき、円Aは円Cの内部に書かれていて、この推論が正しいことがわかる。この方式はオイラーが採用して広まった。この方式をさらに進めたものに、ベンの図式がある。

[西村敏男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android