オオゴマダラ(読み)おおごまだら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオゴマダラ」の意味・わかりやすい解説

オオゴマダラ
おおごまだら / 大胡麻斑蝶
[学] Idea leuconoe

昆虫綱鱗翅(りんし)目マダラチョウ科に属するチョウ。日本では沖縄本島以南の琉球(りゅうきゅう)諸島に普通、現在では与論(よろん)島、沖永良部(おきのえらぶ)島にもまれでなく、すでに土着種と認められる。奄美(あまみ)大島、喜界島(きかいがしま)、吐噶喇(とから)列島、屋久(やく)島でときに発見されるものは南方からの迷チョウあるいはそれに由来する一時的な発生個体と考えられる。外国では台湾、フィリピン、ボルネオ島、ジャワ島、スマトラ島、マレー半島、タイ、ミャンマービルマ)南部に分布するが、中国には産せず、マレー半島系のチョウである。はねの開張130ミリメートル内外。日本産のマダラチョウ科では際だって大形で、はねの地色白色で多少の黒斑(こくはん)を散布し、日本およびその周辺地域にはこれに紛らわしい近似種はない。高所を飛ぶが、飛び方は緩やかで、花に舞い降りるものはたやすくとらえられる。幼虫の食草はキョウチクトウ科のホウライカガミであるが、ガガイモ科のリュウキュウガシワも食べるという。

白水 隆]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オオゴマダラ」の意味・わかりやすい解説

オオゴマダラ
Idea leuconoe

鱗翅目マダラチョウ科。同科中の大型種で,チョウ全体でも大きい部類に入る。雄の前翅開張幅約 135mm,雌は少し大きい。翅は半透明の白色で,翅脈間のまだら模様は黒色東南アジアに広く分布し,日本では琉球列島にみられる。海岸地帯の薄暗い樹林内にすみ,ゆるやかに飛ぶ。トベラ,ゲッキツ,ミカン類の花蜜を吸う。幼虫の食草はキョウチクトウ科のホウライカガミ。多化性で,沖縄では3~11月に連続してみられる。

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