オカバンゴ・デルタ(読み)オカバンゴデルタ

世界遺産詳解 「オカバンゴ・デルタ」の解説

オカバンゴデルタ【オカバンゴ・デルタ】

2014年に登録された世界遺産(自然遺産)。ボツワナ北部、カラハリ砂漠の中にある面積が25000km2に及ぶ世界最大の内陸デルタ。アンゴラ高原に降った雨がオカバンゴ川となり、カラハリ砂漠の平坦な土地に流れ込み、海に行き着くことなく蒸発し消滅するが、カラハリ砂漠の貴重な水源となっている。乾季雨季による湿地帯と浸水域で構成されるオカバンゴ・デルタは、アフリカ東部を南北に縦断する大地溝帯の延長部にあり、砂質の堆積物で埋められた地溝の中に形成されている。ボツワナでは最も乾燥した冬の季節が雨季の最盛期で、南のンガミ湖、サウ湖、マカディカディ塩湖に水が流れ込み、広大なオアシスとなって生物に潤いを与えている。オカバンゴ川の水域に合わせて動植物の生態の変化が見られるこのデルタは、気候・水量・生物の相互関係を示す貴重な標本であり、アフリカゾウ、バッファロー、カバなどの大型動物から小動物、鳥類魚類爬虫類両生類までさまざまな野生生物が生息する豊かな生態系を育んでいる。またイヌ科の肉食獣であるリカオンや、シロサイクロサイチータ、ライオンなどの絶滅危惧種の生息地としても貴重である。◇「オカバンゴ湿地」「オカバンゴ大沼沢地」とも呼ばれる。英名はOkavango Delta

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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