オストラコン(英語表記)ostrakon

デジタル大辞泉 「オストラコン」の意味・読み・例文・類語

オストラコン(ostracon)

古代において、一般に文書として用いられた土器片。
特に、古代ギリシャで、オストラシズムに用いられた陶片。→オストラシズム

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オストラコン」の意味・わかりやすい解説

オストラコン
ostrakon

古代エジプト人,ギリシア人,ヘブライ人によって書簡,計算などに使用された陶片あるいは石灰岩ギリシア語の陶片あるいは貝殻を意味するオストラコン (複数はオストラカ ostraka) が語源。古代エジプトではパピルス代りに一般に用いられた陶片あるいは石灰岩の剥片さし,書簡や計算書,学習のための練習,詩や文章の一部などをヒエラティック (神官文字) ,デモティック (民衆文字) ,ギリシア語で記した。また絵画浮彫習作戯画なども描かれ,新王国時代 (前 1567~1085頃) からローマ時代にかけて使われた。

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世界大百科事典(旧版)内のオストラコンの言及

【オストラカ】より

…陶片の意。単数形はostraconで,ギリシア語のostrakonから出た語。とくに古代ギリシアで,支配者の専横を防ぐための投票に用いられた陶片をさす(オストラキスモス)。また,美術史では,壺の破片などにパピルスの代用として文字や絵を描いた小型の作品をいう。古代エジプトにその例が多く,絵画史,風俗史の貴重な資料である。転じて,石灰岩片に描かれたものもこの名で呼ぶ。【友部 直】…

※「オストラコン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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