オズグッド,C.E.(読み)おずぐっど

世界大百科事典(旧版)内のオズグッド,C.E.の言及

【脅威】より

…しかし,たとえ核抑止が働いていようとも,偶発戦争や予防戦争までは避けられないので,まず相互的な脅威の知覚を双方において軽減し,双方が核軍縮を実現していくことが平和の確立のために強く望まれた。1962年,アメリカの心理学者チャールズ・オズグッドC.E.Osgoodは,相互的な脅威の知覚とそれに根ざす相互不信を徐々に軽減する外交戦略として,心理学とコミュニケーション科学を応用した〈GRIT(グリツト)〉(graduated reciprocation in tension‐reduction緊張緩和の漸進的交互行為)を提唱し,その実現のためにアメリカの一方的主導権を強く主張,国際的な注目をひいた。抑止軍縮【田中 靖政】。…

【軍縮】より

…そこで逆に,自国の安全を基本的に脅かさない限度でまず自国の側で部分的軍縮措置を一方的にとり,それによって相手国の軍縮を妨げている要因の中でこちら側に起因するものを緩和・除去して,相手国の部分的軍縮措置を誘い出し,それに見合ってこちら側が次の部分的軍縮措置をとる――そういう形で,軍縮への循環過程を生み出すというアプローチが主張された。これを理論化したのはアメリカの心理学者オズグッドCharles E.Osgoodの提唱した〈緊張緩和への段階的・相互的イニシアティブGraduated and Reciprocated Initiatives in Tension‐reduction(GRIT)〉である。これは一見理念的にすぎるように見えるが,実は部分的核実験停止条約や米ソ間ホットライン設置などの軍備管理協定の成立も,GRITの要素なしには不可能だった。…

【フィードバック】より

…【北森 俊行】
[社会科学への応用]
 フィードバックの概念は,サイバネティックスの社会科学への応用ということから,経済学,社会学,政治学などにも用いられるようになり,モデルの説明のほか,広義には政策の結果をみて政策を変更するなどの場合にも用いられている。また人間のコミュニケーションを説明する概念の一つともなっており,例えばオズグッドC.E.OsgoodとシビオクT.A.Sebeokは,コミュニケーションとは話し手が聞き手に一方的に情報を伝達する過程ではなく,むしろ話し手の伝える情報が種々の要因によって規制され,システムとしての安定性が維持されるという観点から,話し手が自分自身の音声を聞きながら話の内容を修正していく〈個人内フィードバック〉と,聞き手の身ぶりや返答を確かめながら修正していく〈個人間フィードバック〉という概念を導入している。個人間の会話ではこれらのフィードバックが常に機能しコミュニケーション・システムを制御しているが,他方,高度な機械技術を使って不特定多数の大衆に情報を同時に伝達するマス・コミュニケーションにおいては受け手からのフィードバックが少なく,伝達が一方的になる傾向がみられる。…

※「オズグッド,C.E.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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