オペル

百科事典マイペディア 「オペル」の意味・わかりやすい解説

オペル

ドイツの自動車会社。オペル一族によって1899年設立。第1次世界大戦後大衆車で成功したが,1931年米国ゼネラル・モーターズ(GM)の子会社となる。GMはヒトラー政権でいったん権利を放棄したが,1948年回復し,1970年代にGMの「1つのプラットフォームから世界中の車種を設計」というグローバルカー構想の開発拠点となった。フォルクスワーゲンBMWとの競争のなかで堅実な車の生産メーカーとして業績をあげたが,GMの凋落とともに経営は低迷状態に陥った。2009年4月のGM経営破綻で,独政府が救済に乗り出し,同年5月,カナダの自動車部品メーカー大手のマグナ連合に売却することをGM,米政府が同意することを条件に,オペルに15億ユーロの融資を決定,GMとマグナ連合との交渉が始まった。しかし6月に中国の自動車会社北京汽車も買収に名乗りをあげ,最終的な決着予断を許さない。

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