オヨン(読み)およん(英語表記)Эрдэнэбатын Оюун/Erdenebatïn Oyuun

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オヨン」の意味・わかりやすい解説

オヨン
およん
Эрдэнэбатын Оюун/Erdenebatïn Oyuun
(1918―2001)

モンゴル劇作家。中学卒業後、芸術関係の仕事に従事し、1930年代には劇場のためにロシア語の脚本を多く翻訳した。国立ウランバートル大学を卒業後、ソ連演劇高等専門学校の専攻生として学んだ。創作は39年から始め、戯曲に『包(ゲル)の聚落(しゅうらく)』(1942)や『兄弟たち』『友の会合』、短編小説に『郵便配達人ツェルマ』(1957)や『春の一夜』がある。『包の聚落』は、それまで歴史劇中心の演劇を、生きた現代劇として脱皮誕生させた傑作としてモンゴル演劇史上重要な一里塚をなすものであり、その功績は大きいとされている。

[荒井伸一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オヨン」の意味・わかりやすい解説

オヨン
Oyun, Erdenebatyn

[生]1918
モンゴルの女流作家。 1957年にウラーンバートル大学を卒業後ソ連に留学し,モスクワ大学文芸学を専攻,学位候補生の称号を得た。 1940年代から作家活動を始め,『兄弟たち』 Ax düü nar (1943) ,『同志会見』 Nöxdijn uulzalt (45) などの戯曲,『紅衣乙女は誰』『郵便屋さんツェルマー』などの短編小説を発表し,46年には文学賞を受賞。演劇をはじめとする舞台芸術の発展にも多大な貢献をした。日本を訪れたこともあり,知日家の一人である。

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