オリックス(英語表記)oryx

翻訳|oryx

デジタル大辞泉 「オリックス」の意味・読み・例文・類語

オリックス(oryx)

ウシ科オリックス属の哺乳類の総称。大形から中形で、アフリカアラビア半島の砂漠や草原に生息するが、数は減少。雌雄とも槍状あるいはサーベル状の長い角をもつ。シロオリックスベイサオリックスアラビアオリックスなど。

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精選版 日本国語大辞典 「オリックス」の意味・読み・例文・類語

オリックス

〘名〙 (oryx) 偶蹄目ウシ科ブルーバック亜科の哺乳類。ただし近縁の二種を含むオリックス属三種の総称としていわれることもある。体長二メートル、体高一二〇センチメートル前後で、角はまっすぐ伸びて雄では一メートル以上になる。雌の角は雄より短く細い。体色は灰褐色で、顔には白と黒の特徴的な模様がある。また白い腹部と体側との境界黒帯が走り、脚にも黒い帯がある。アフリカの乾燥草原に生息し、群れで生活する。

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改訂新版 世界大百科事典 「オリックス」の意味・わかりやすい解説

オリックス
oryx

雄,雌とも長いまっすぐな,またはサーベル状の角をもった偶蹄目ウシ科オリックス属に属する哺乳類の総称。アラビアとアフリカの砂漠やサバンナに分布。肩高85~140cm,体長160~235cm,角50~127cm,体重55~255kg。ゲムズボックOryx gazella(英名gemsbok/beisa),アラビアオリックスO.leucoryx(英名Arabian oryx),シロオリックスO.dammah(英名scimitar oryx)の3種がある。ゲムズボックはベイサオリックスともいい,東および南アフリカのサバンナ~半砂漠地帯にすみ,肩高115~140cm,体重180kg以上。体の大部分は赤褐色~灰白色,顔,腹,四肢などは白く顕著な黒斑がある。角はまっすぐで耳介がまるい。ふつう1頭の雄と数頭の雌およびその子で6頭くらいの小群をなすが,ときに30頭くらいの群れも見かける。早朝と夕方および月夜に出歩き,草や木の芽と葉を食べるほか,水分に富んだ球根を前脚で掘り出して食べる。妊娠期間260~300日,1腹1子,まれに2子,雌は出産に際して,2~3週間群れから離れる。子は3~4ヵ月で離乳,1年半~2年で成熟する。飼育下では18~22年生きる。天敵はライオン,ヒョウ,リカオンなど。アラビアの砂漠にすむアラビアオリックスは小型で肩高85~90cm,体重35~70kg。体は白く,四肢が黒い。妊娠期間は255~260日,雌は出産時に2~3時間群れから離れるにすぎない。野生のものは絶滅,保護下に約100頭が残生する。サハラ砂漠の南縁にすむシロオリックスは,肩高110~125cm,体重180~200kg。角はサーベル状に曲がり,首が赤褐色,胴と四肢は白色で黒斑を欠く。妊娠期間242~256日,しばしば30~200頭の大群をなし,季節に応じて長距離の移動をする。乾燥に強く,数週間水を飲まずに過ごすことができる。100年ほど前まではセネガルからナイル川流域まで広く分布していたが,近年分布域が狭くなり絶滅の恐れがでてきた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オリックス」の意味・わかりやすい解説

オリックス
おりっくす
oryx

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科オリックス属に含まれる動物の総称。この属Oryxはアフリカ南部、西部、東部とアラビア南東部に分布し、砂漠や草原に生息する。大形ないし中形のアンテロープで、肩高は90~120センチメートル、体重は200キログラム内外である。雌雄ともに槍(やり)状、またはそれがサーベル状にカーブした長い角(つの)があり、長さは普通75~110センチメートルである。体色や斑紋(はんもん)は種によって異なる。普通5頭から十数頭の小群で暮らすが、雨期にはそれらが集まり、ときに100頭を超す大きな群れで生活する。群れはおもに雌と子からなり、雄は単独あるいは小群でいることが多い。草、木の葉、果実などを食べ、水がなくても長期間生存できる。交尾期になると雄どうしは角を突き合わせて闘うが、雄と雌も角を突き合わせて押し合う「打ち合い」(スパーリング)を行う。また、雄は雌を追いかけ、前足で雌の後ろ足の内側や外側に触れる「走り打ち」(ワイフキッキング)とよばれるディスプレーも行われる。妊娠期間は240~300日で、子は食物の豊かな雨期に産まれる。1産1子。乱獲され生息数は減少し、絶滅した種もあるが、次の4種が知られている。

 ゲムズボック(ケープオリックス)O. gazellaアンゴラ、モザンビーク南部およびローデシア地方から南に分布する。角は100~122センチメートルあり、体は灰茶色で、額から鼻面と目から下あごにかけて黒斑がある。ベイサオリックスO. beisaはエリトリアからタンザニアにかけて分布する。角は70~105センチメートルで、体は黄土色。気が強く、ライオンさえも角で殺した例がある。シロオリックスO. dammahはセネガルからスーダンにかけて分布する。角は100~127センチメートルで、体は黄白色である。古代エジプト人は本種を家畜として飼育していたといわれる。アラビアオリックスO. leucoryxはアラビア半島に少数が生息し、もっとも絶滅が心配されている種である。角は75センチメートルほどで、体は汚れた白色。なお、オリックスはアダックスとともにオリックス亜科Oryginaeを形成する。

[今泉忠明]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オリックス」の意味・わかりやすい解説

オリックス
Oryginae; oryx

偶蹄目ウシ科オリックス亜科の動物の総称。オリックス属 Oryx,アダックス属 Addax,ローンアンテロープ属 Hippotragusなどが含まれる。肩高1~1.6m。雌雄ともに長い槍形,サーベル形,あるいは栓抜きのようにねじれた形の角をもつ。尾が長く,尾の先に毛総がある。アフリカの開けた場所,砂漠地帯,比較的明るい森林地帯にすむ。なお,狭義にはベイサオリックス Oryx beisaをさす。この種は肩高 1.1m,額から顔にかけて黒色の斑紋があり,前肢上部と体側に沿って黒色帯がある。

オリックス
ORIX CORPORATION

リース会社。1964年オリエント・リースとして設立。1969年株式額面変更のため同名のオリエント・リース(1950設立)に吸収合併される。1973年にオリエント・オート・リース(のちのオリックス自動車),1979年にファミリー信販(のちのオリックス・クレジット),1985年にバジェット・レンタカー(のちのオリックス自動車)などを設立。1988年にはプロ野球球団の阪急ブレーブスを買収。1989年現社名に変更した。リース事業のほか,不動産開発・賃貸事業,環境エネルギー事業,生命保険事業などを手がける。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「オリックス」の解説

オリックス

正式社名「オリックス株式会社」。英文社名「ORIX CORPORATION」。金融業。昭和39年(1964)「オリエント・リース株式会社」設立。平成元年(1989)現在の社名に変更。東京本社は東京都港区浜松町。大阪本社は大阪市西区西本町。総合リース会社。リース・融資事業を中心に金融サービスを多角展開。子会社で信託・保険・自動車リース・レンタカー事業も行う。プロ野球チーム「オリックス・バファローズ」の親会社。東京証券取引所第1部・ニューヨーク証券取引所上場。証券コード8591。

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