ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オータン=ララ」の意味・わかりやすい解説
オータン=ララ
Autant-Lara, Claude
[没]2000.2.5. アンティーブ
フランスの映画監督。第1次世界大戦中は,熱心な平和主義者である母親とイギリスで過ごした。ロンドンでしばらく教育を受けたのち,フランスへ帰国して美術を学んだ。16歳のときマルセル・レルビエ監督作品の美術部門で働き,ジャン・ルノアール監督らのもとでもセットや衣装のデザインを担当した。ルネ・クレール監督の助監督を務めていた 1923年,初の短編映画を発表。さらに 2本の短編を監督したのち,ハリウッドでアメリカ映画のフランス語版を監督する仕事を得た。1933年に長編第一作 "Ciboulette"を発表。レイモン・ラディゲの小説を映画化した『肉体の悪魔』Le Diable au corps(1947)は,兵士の妻と思春期の少年の関係を軸に,反戦・反体制感情を描き,生涯最高のヒット作となった。1989年極右政党の国民戦線からヨーロッパ議会の議員に選出されたが,反ユダヤ的な発言を雑誌で取り上げられ,同年中に辞任した。
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