カ(蚊)(読み)カ(英語表記)Culicidae; mosquito

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カ(蚊)」の意味・わかりやすい解説

カ(蚊)

Culicidae; mosquito

双翅目カ科に属する昆虫総称。体は細くて軟弱で全体が鱗毛におおわれる。頭部は小さくて球形に近く,大部分が複眼で占められる。単眼はない。口器はとなって長く突出し,吸収口となっている。触角は細長く糸状で輪毛があり,雄では羽毛状。肢は細く非常に長い。翅も細長い。完全変態をし,幼虫ぼうふら,蛹は鬼ぼうふらと呼ばれ,大部分が淡水にすむが,塩水にすむ種もある。日本産はナミカ亜科 (イエカ,カクイカ,ヤブカなど) ,オオカ亜科 (日本最大のトワダオオカ 1種のみを含む) ,ハマダラカ亜科 (ハマダラカなど) の3亜科約 100種が知られている。雌は哺乳類や鳥類から吸血するばかりでなく,マラリアデング熱日本脳炎などの病原体を媒介する重要な衛生害虫である。他方,カ科に属しながらカクイカやトワダオオカのように他のカの幼虫 (ぼうふら) を捕食する天敵もある。 (→双翅類 )  

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百科事典マイペディア 「カ(蚊)」の意味・わかりやすい解説

カ(蚊)【カ】

双翅(そうし)目カ科に属する昆虫の総称。多くの種類があり,日本には100種以上いるが,衛生害虫と考えられるものはそのうち1/5くらい。一般に雌だけが吸血するが,雌雄共に全く吸血しないもの,カエルイモリなどを吸血するものもある。卵は長さ1mmたらずのものが多く,幼虫(ボウフラ)は汚水やため水などにすみ,4回脱皮して蛹(オニボウフラ)になる。成虫は主として夏に現れ,ヤブカ類のように昼間活動するものと,ハマダラカイエカ類など夜間活動するものとがある。吸血に際し,日本脳炎(コガタアカイエカ),マラリア(ハマダラカ)など種々の伝染病を媒介する種類も多い。
→関連項目ボウフラ

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