カイバル・パクトゥンクワ州(読み)カイバル・パクトゥンクワ(英語表記)Khyber Pakhtunkhwa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

カイバル・パクトゥンクワ〔州〕
カイバル・パクトゥンクワ
Khyber Pakhtunkhwa

パキスタン北部の州。旧称北西辺境州。州都および政治・経済の中心はペシャワル。18世紀末にはパキスタン北西部とアフガニスタン東部との国境を形成する山岳地帯を占めるシク王国の一部であった。1901~55年は東部の 6特別地区を含み,インドの一州であったが,1955年,西パキスタン州に編入され州の地位を失った。1970年の西パキスタン州解体に伴い,再び州となり,スワートディルチトラルを合併した。2010年現名称に変更。北部はカシミール西部,ヒンドゥークシ山脈に連なる雪山地帯。南部はバルチスターンに続く砂漠と丘陵地帯であるが,中央部は標高 1800~3000mの森林に覆われた高地肥沃渓谷で,カイバー峠がある。山岳地帯を中心におもにパシュトゥン人が居住し,ペルシア語系のパシュト語を話す。そのほか,多数の少数民族が州内に自治区をもち,政府の管理下にはあるが,独自の行政を行なっている。大部分イスラム教徒で,独立心が強く,好戦的ともいわれる。ここを中心にパシュトゥン人の独立運動(→パクトニスタン運動)が展開され,一時は武力紛争となったこともある。行政的には,ペシャワル,デライスマイルカーン,マラカンド,ハザーラの 4県がある。面積 10万1741km2。人口 3551万9927(2017)。

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