カサブブ,J.(読み)かさぶぶ

世界大百科事典(旧版)内のカサブブ,J.の言及

【コンゴ動乱】より

…しかもコンゴはコンゴ族,ルバ族,モンゴ族,ルンダ族その他多数の部族を擁して統一性に乏しく,独立に際して中央集権制と地方分権制のいずれをとるかが最大の争点となっていた。結局ルムンバのコンゴ国民運動の主導下に形式的には単一国家制(したがって中央集権制)をとりながら,実質的には州の権限を大幅に認めた擬似連邦制ともいうべき制度を採用し,集権派のルムンバが首相,分権派のカサブブJoseph Kasavubu(1910‐69)が大統領に就任するという,無理な妥協が目だつなかで独立を達成した。しかし独立から1週間もたたない7月上旬,首都で起こった軍隊の反乱が地方に拡大すると,その機をとらえて分権派のチョンベMoise Tshombe(1919‐69)はカタンガ州(現,シャバ州)の分離独立を宣言し,9月にはカロンジAlbert Kalonjiも南カサイの分離独立を宣言して,本格的な内乱の幕が切って落とされた。…

【コンゴ民主共和国】より

… しかしナショナリズム運動が未熟であるうえに,独立のための準備期間が短すぎたこともあって,独立後1週間足らずの7月6日,軍隊の反乱を契機にコンゴは大動乱(コンゴ動乱)に突入した。カサブブ大統領とルムンバ首相の対立,チョンベによるカタンガ州(現,シャバ州)の分離独立宣言,ベルギーの軍事介入と国連軍の派遣,モブツ大佐の政治介入,ルムンバ首相の逮捕と虐殺,カサブブ派のレオポルドビル政権とルムンバ派のギゼンガを盟主とするスタンリービル(現,キサンガニ)政権の対立といった諸事件を織り込みながら,情勢は悪化の一途をたどった。しかも西側諸国はレオポルドビル政権を支持しながらカタンガ分離主義勢力に対してもあいまいな態度を示し,東側諸国はスタンリービル政権を支持するなどしたために,動乱はいっそう複雑な様相を呈した。…

※「カサブブ,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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