カシミア効果(読み)かしみあこうか(英語表記)Casimir effect

知恵蔵 「カシミア効果」の解説

カシミア効果

真空中で、金属の板2枚をごくわずか離して平行に置いたとき、量子力学に特有の状態のゆらぎで板同士が引き合うこと。板の周りでは、電磁場の最も低いエネルギー状態がゆらぎ、仮想粒子がさまざまな波長の波として現れる。ところが、板の間では波長が制約され、その分、エネルギー密度が下がって外側から圧力を受ける。1948年にH.B.G.カシミアが予言、97年、S.K.ラモローが実験で確かめた。

(尾関章 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android