カッパブックス(読み)かっぱぶっくす

世界大百科事典(旧版)内のカッパブックスの言及

【新書】より

…54年,中央公論社がハードカバーの単行本として刊行していた伊藤整《女性に関する十二章》の廉価版を新書判で刊行,ベストセラー化したのを契機に,各社が新書を創刊し,いわゆる新書ブームをまき起こした。なかでも神吉晴夫が54年から手がけた光文社の〈カッパブックス〉は,時流に投じた企画,平易に書き改められた文章,斬新な書名,宣伝費の大量投入による需要喚起によって,岩田一男《英語に強くなる本》,塩月弥栄子《冠婚葬祭入門》,多湖輝《頭の体操》,星野芳郎《マイ・カー》など,ハウツーもの,娯楽ものを中心に多数のベストセラーを続出させ,戦後出版史に一時代を画した。新書の流行にみられた低価格志向の出版傾向はその後いちだんと助長され,いわゆる〈軽薄短小〉を旨とする世相とあいまって文庫の分野へ波及し,各社の参入により激しい〈文庫合戦〉を展開している。…

【ペーパーバック】より

…ポケット・ブックスは,ドラッグストアや新聞売店で販売するなど読者層の拡大に成功し,アメリカ50年代のクオリティ・ペーパーバックquality paperbackを中心とする〈ペーパーバック革命〉の口火を切った。日本では〈新書〉といわれるものがその代表的なもので,1938年に創刊された岩波新書を始まりとするが,ペーパーバックという形で一般に注目されるようになったのは,54年創刊のカッパ・ブックス(光文社)以来のことである。ペーパーバックの普及は,とくに第2次大戦後の大衆社会化状況に伴う現象であるが,今日のアメリカではその新刊の発行点数が全体の約4割を占めている(1994現在)。…

※「カッパブックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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