カニコウモリ

百科事典マイペディア 「カニコウモリ」の意味・わかりやすい解説

カニコウモリ

近畿以北の本州四国針葉樹林帯の林下にはえるキク科多年草。茎は高さ0.6〜1m。葉は3枚内外で,形はカニの甲を思わせ,上面には光沢があり縁には不整の鋸歯(きょし)がある。頭花は小さく,白色で3〜5個の筒状花のみからなり,8〜9月,茎の先に細い円錐状につく。近縁モミジガサは葉がモミジに似て掌状,北海道〜九州に分布し,若芽はシドケ,シトギと呼ばれ山菜として利用される。
→関連項目シトギシドケ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カニコウモリ」の意味・わかりやすい解説

カニコウモリ
かにこうもり / 蟹蝙蝠
[学] Parasenecio adenostyloides (Fr. et Sav.) H.Koyama
Cacalia adenostyloides (Fr. et Sav.) Matsum.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎は高さ0.5~1メートル、多くはほぼ中ほどに3枚の葉を互生する。葉身はカニの甲らに似た形で、縁(へり)には不ぞろいの鋸歯(きょし)がある。8~9月、茎頂に多数の頭花を円錐(えんすい)状につける。頭花は3~5個の小花と3枚の総包葉片とからなる。本州と四国の亜高山帯の針葉樹林の林床(りんしょう)に群生する。名は、葉形がカニの甲らに似たコウモリソウの意味である。

[小山博滋 2022年2月18日]


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改訂新版 世界大百科事典 「カニコウモリ」の意味・わかりやすい解説

カニコウモリ

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世界大百科事典(旧版)内のカニコウモリの言及

【モミジガサ】より

…モミジガサよりひとまわり大きい円錐花序をつける。 カニコウモリC.adenostyloides (Fr.et Sav.) Matsum.は,四国と近畿地方以北の本州の針葉樹林の林床に群生する多年草。前二者に比べてやや小さく,草丈も100cm以下。…

※「カニコウモリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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