カムラン湾(読み)カムランワン(英語表記)Vinh Cam Ranh

デジタル大辞泉 「カムラン湾」の意味・読み・例文・類語

カムラン‐わん【カムラン湾】

Camranhベトナム南東部の湾。日露戦争の際、ロシアバルチック艦隊が集結し、ベトナム戦争の際は米海軍の基地となった。

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精選版 日本国語大辞典 「カムラン湾」の意味・読み・例文・類語

カムラン‐わん【カムラン湾】

(カムランはCamranh) ベトナム、南シナ海海岸にある湾。かつてフランス軍の基地がおかれ、日露戦争の時、ロシアのバルチック艦隊が寄港した。

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改訂新版 世界大百科事典 「カムラン湾」の意味・わかりやすい解説

カムラン湾 (カムランわん)
Vinh Cam Ranh

ベトナム南東部の湾。ダラト高原が海に陥没して生じた地形で,背後に高い山地を負い,北側の高さ463mに及ぶ細長いカムラン半島と南側のビン・ハイ半島とにはさまれて形成される。湾の入口は1.2kmと狭いが内部は広く,水深も12m以上で,季節のいかんを問わず大小の船が入り得る。ベトナム海岸では最良の港湾の一つである。日露戦争に際し,1905年4月東航するバルチック艦隊の停泊地となったことで知られる。ベトナム戦争ではアメリカ海軍基地の一つとされた。ベトナム縦貫鉄道が湾岸に沿って走っているが,奥地の開発はまだ遅れている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カムラン湾」の意味・わかりやすい解説

カムラン湾
カムランわん
Vinh Cam Ranh

ベトナム中南部カインホア省にある湾。ホーチミン市東北東約 300kmの南シナ海沿岸に位置する。湾口は南北から突出した小半島にはさまれて幅約 2kmと狭いが,湾内は奥行約 15km,幅は約 30kmと広がり,常時多数の船舶の停泊が可能。水深は 10~30m。サンフランシスコ,リオデジャネイロと並ぶ世界でも指折りの天然の良港であるが,背後にアンナン山脈系の山地が迫るため開発が遅れ,従来港の機能は十分に活用されていなかった。しかし 1960年代ベトナム戦争の激化に伴って,アメリカ合衆国軍の大基地が設置されてから急速に開発され,湾岸のカムラン市の都市化も進んだ。 05年日露戦争の際,ロシアのバルチック艦隊が寄港,第2次世界大戦中は日本海軍が使用した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カムラン湾」の意味・わかりやすい解説

カムラン湾
かむらんわん
Vinh Camranh

ベトナム南東部、南シナ海に面する湾。アンナン山脈の南部が海に陥没して生じた地形で、ベトナム沿岸では最良の港の一つとなっている。湾の入口の幅は1.2キロメートルほどで狭いが、内部は広く水深があり、四季を通じて大小の船が安全に投錨(とうびょう)できる。日露戦争時の1905年、東航するロシアのバルチック艦隊が寄港したことで知られ、ベトナム戦争ではアメリカ海軍の基地となった。主要港はバゴイ。

[別技篤彦]

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百科事典マイペディア 「カムラン湾」の意味・わかりやすい解説

カムラン湾【カムランわん】

ベトナムの南部,南シナ海に面する景勝の良港湾。水深12m以上。旧フランス東洋艦隊の基地で,日露戦争当時(1905年)バルチック艦隊が寄港したことで有名。第2次大戦中は日本軍の,ベトナム戦争中は米軍の補給基地となった。1979年以降はソ連軍が駐留したが,1990年までに撤退した。

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