カラバル豆(読み)カラバルまめ

精選版 日本国語大辞典 「カラバル豆」の意味・読み・例文・類語

カラバル‐まめ【カラバル豆】

〘名〙 (カラバルはCalabar) アフリカ原産マメ科のつる性多年草。葉は三小葉葉腋蝶形暗赤色の花を総状多数つける。種子アルカロイドを含有し、痙攣(けいれん)をしずめたり、瞳孔(どうこう)を縮めさせる特効がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「カラバル豆」の意味・読み・例文・類語

カラバル‐まめ【カラバル豆】

Calabar》マメ科の蔓性つるせいの多年草。葉は3枚の小葉からなる。花は暗赤色。豆はアルカロイドを含み有毒であるが、瞳孔どうこう縮小・眼圧下降薬の原料とする。アフリカ西岸のカラバル地方の原産。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のカラバル豆の言及

【毒矢】より

…用いられる毒物の種類は多いが,地域によって明確な違いがあり,南アメリカではクラーレ,東南アジアではクワ科のAntiaris toxicariaの乳状の樹液イポー(ヒポー,ウパスとも呼ぶ)が用いられる。アフリカではキョウチクトウ科の植物が中心であり,Tanghinia veneniferaの種子から採るタンギン(ケルベラ・タンギンともいう),Strophanthus gratusの種子やAcocanthera schimperiなどの樹皮・樹幹から採るウワバイン,Strophanthus hispidusの種子から採るケルベラ,マメ科でフジに近縁のPhysostigma venenosumの種子であるカラバル豆などが用いられる。東アジアではトリカブトの根から採る烏頭(うず),附子(ぶし)が主役で,アイヌもこれを用いた。…

【フィゾスチグミン】より

エゼリンeserinともいう。西アフリカ,ギニアのカラバル川流域に産するマメ科の植物Physostigma venenosumの種子に含有されるアルカロイド。この種子を現地人はエゼルマメ,白人はカラバルマメと呼んでいる。かつてギニアの原住民の間で,この豆を裁判に用い,食べて死亡すれば有罪,助かれば無罪としたと伝えられ,強い毒性を有する豆である。1865年にその毒性成分が結晶形で単離され,植物名からフィゾスチグミン,現地人の言葉からエゼリンと名づけられた。…

※「カラバル豆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android