カルボン

化学辞典 第2版 「カルボン」の解説

カルボン
カルボン
carvone

C10H14O(150.22).p-メンタン骨格をもつモノテルペンケトン.(+)-カルボンまたは(S)-カルボンはヒメウイキョウCarum carvi精油に含まれており,(-)-カルボンまたは(R)-カルボンはクロモジLindera umbellataに,また(±)-カルボンはジンジャーグラスzingiber officinalの精油中にそれぞれ含まれている.(+)-カルボンは,沸点91 ℃(667~800 Pa).1.4989.+61.2°.エタノールとは任意の割合でまざり合う.水に難溶.[CAS 2244-16-8:(+)-カルボン][CAS 6485-40-1:(-)-カルボン][CAS 99-49-0:(±)-カルボン]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルボン」の意味・わかりやすい解説

カルボン
carvone

化学式 C10H14O 。単環式モノテルペンに属するケトン。沸点 230℃。D体はセリ科植物の種子に含まれる芳香ある精油の主成分一つ。L体は黒文字油中に多量に含まれる。石鹸香料となる。

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世界大百科事典(旧版)内のカルボンの言及

【キャラウェー】より

…果実は長さ3~7mm,三日月形に湾曲し,5本の肋がある。果実はカルボンという精油を含有しカルムcarum実と呼び,ウイキョウの代用品として,健胃・駆風薬とする。スパイスとして,実を丸のまま,あるいは荒挽きして,ビスケット,キャンディ,ケーキ類に入れ,黒パンの香味付けにも入れる。…

【リモネン】より

…かんきつ類系の精油の調合香料として広く使用される。またカルボンcarvon(単環状モノテルペンに属するケトン)の合成原料となる。【内田 安三】。…

※「カルボン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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