カーシャ(英語表記)kasha

翻訳|kasha

改訂新版 世界大百科事典 「カーシャ」の意味・わかりやすい解説

カーシャ
kasha

ロシアで最も古くから知られた料理のひとつ。日本の粥あるいは雑炊にちかい。ふつうは,ソバをはじめ,大麦,小麦,ライ麦,米などの穀粒を,沸騰した牛乳あるいは水の中に投入し,塩,砂糖コショウバターなどで味をつける。このさい各種の野菜,果物キノコ,肉などを混入することもある。ライ麦からつくる黒パンやビート入りのボルシチスープなどと並んで,現在でもロシアで最も普及している家庭料理である。古くはハレの日の宴会に欠かせぬ料理であり,食事そのものを意味することすらあった。何某と〈いっしょにカーシャを煮る〉とは,相手と連帯のきずなで結ばれることを意味する比喩的表現である。
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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「カーシャ」の解説

カーシャ【kasha(ロシア)】

ロシア料理一つで、粗挽きか挽き割りにしたそばの実のかゆ。ボルシチのつけ合わせとして用いるほか五分がゆ程度のやわらかさにして主食にすることもある。

出典 講談社和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典について 情報

百科事典マイペディア 「カーシャ」の意味・わかりやすい解説

カーシャ

ロシア料理

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世界大百科事典(旧版)内のカーシャの言及

【ロシア】より

…現在では特別な場合を除き都市と農村の服装のあいだに大きな差はなく,伝統的な衣服のスタイルやししゅうのデザインなどは,都会のファッションの中に取り入れられている。
[黒パンとピローグ]
 農民の主食は比較的最近まで黒パンとジャガイモ,それに各種の穀物でつくる粥(カーシャkasha)であり,スープには酢漬けのキャベツを具とするシチーshchi,トマトとテンサイで赤い色をつけたボルシチクワスをベースとするチューリャtyuryaやオクローシカokroshkaなどがあった。ロシア正教ではふだんでも水曜日と金曜日は精進日とされ,復活祭やキリスト降誕節(クリスマス)のような大きな祭りの前には長い斎戒期が設けられていて,その間は肉食が禁止された。…

【ロシア】より

…現在では特別な場合を除き都市と農村の服装のあいだに大きな差はなく,伝統的な衣服のスタイルやししゅうのデザインなどは,都会のファッションの中に取り入れられている。
[黒パンとピローグ]
 農民の主食は比較的最近まで黒パンとジャガイモ,それに各種の穀物でつくる粥(カーシャkasha)であり,スープには酢漬けのキャベツを具とするシチーshchi,トマトとテンサイで赤い色をつけたボルシチクワスをベースとするチューリャtyuryaやオクローシカokroshkaなどがあった。ロシア正教ではふだんでも水曜日と金曜日は精進日とされ,復活祭やキリスト降誕節(クリスマス)のような大きな祭りの前には長い斎戒期が設けられていて,その間は肉食が禁止された。…

【ロシア料理】より

…古くからロシア人の食べ物として知られたのは,ライ麦からつくる黒パン,各種の穀物の粥(カーシャ),デンプンを用いるゼリー状のキセーリなどで,これらは12世紀以降の年代記などにあらわれる。飲物としては麦芽を発酵させてつくるクワス,蜜酒,ビールが愛好され,ややおくれてウォッカがこれに加わった。…

※「カーシャ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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